EA（FX自動売買）とPAMM・MAM・コピトレとの違いやメリット・デメリット

FXの自動売買等のFX系のツールやシステムは様々ありますが、そのタイプは大きく2つに分けられると思います。

こうした分類で簡単に分けられないタイプのFX系のシステムやツールもあるとは思いますが、それでも自分で運用をするか？お任せで運用するか？という2つのタイプに分けられるのではないでしょうか。

どちらにおいても、その特徴や利用についてはメリットやデメリットがあります。豊かな投資ライフのためにも、それらの特徴や違いを知った上でご自身の投資スタイルにあわせてツールを活用していくべきですね。

ぜひ参考にしてみてください。

EA（FX自動売買）やPAMM・MAM・コピトレについて

まずは簡単に言葉の意味からおさらいしておきます。

EA（FX自動売買）とは？

EAとは「Expert Adviser」のこと。FXにおいては、MT4（あるいはMT5）上で稼働するFXの自動売買プログラムを指します。

基本的には、EAのプログラムを入手したら、VPSサーバかパソコン上に自分自身で設置や設定をして運用します。

一般的に「FX自動売買」といえば「EA」のことを指すことが多いですね。

PAMM・MAM・コピトレとは？

PAMM、MAM、コピトレは厳密には意味や役割が違いますし、それぞれで混在しがちですが、基本的には自分でFX取引を管理・制御はしない（できない）、つまりプロトレーダーに取引お任せが前提にあるところは同じ。なのでEAとは違いますね。

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PAMMとは「Percentage Allocation Management Module」のこと。プロトレーダーに取引を委託しておまかせするシステムです。利益が出たら、トレーダーのマスター口座に紐づいている各顧客の口座に残高に応じてリアルタイムで分配されます。口座は自身で管理します。トレーダーの取引履歴はユーザ側で見ることはできません。

MAMとは「Multi Account Manager」のこと。プロトレーダーに取引を委託しておまかせするところや、口座は自身で管理するところはPAMMと同じですが、MAMではプロトレーダーの口座での取引がリアルタイムに各顧客の口座にも反映するようになっています。取引履歴はリアルタイムでMT4アプリ等で見ることが可能です。

コピトレとは「コピートレード」のこと。プロトレーダーの取引を自身の口座にコピーしてトレードする手法です。好きなトレーダーを選択するだけで取引が行える手軽さがあります。MAMやPAMMでは、プロトレーダーにトレードを委託しているためユーザ側では裁量での操作等はできませんが、コピトレでは相場やトレードの状況に応じてユーザ側で裁量したり出金することは可能となっていて（それが良いかどうかは別にして）運用の自由度は高めです。

EA（FX自動売買）を利用するメリット

自分で稼働コントロールできる

FX自動売買（EA）を利用するメリットは、自分で稼働のコントロールができることです。

例えば、

• 夜間は停止する
• 重要な経済指標の前後や月末は停止する
• ロット設定を変えて安全運用をする
• 自身で損切り決済を行う
• 自身で裁量を入れる（可能かどうかはEAによる）

といったことも、EAなら自分で行うことが可能です。

良くも悪くもですが、相場の状況によってEAの設定や稼働状況をうまくコントロールし、最大限に利益を上げたり、逆に設定を抑えたり、稼働を止めたりしながら損失を最低限に抑えることも可能です。

利益が大きい

一般的に言えば、PAMM/MAM/コピトレ等に比べた場合、EAは利益率は高めです。もちろん扱うEA（FX自動売買）の特性や、EAの設定やコントロール方法次第なところもありますが。

出金はいつでもできる

EAでは出金はいつでも可能です。

証券会社によっても出金の条件が多少違いますが、基本的にはEAを停止して保有ポジションを整理した上であれば、部分出金でも全額出金でも好きなときに出金は行なえます。

運用資金以外の手数料はかからない

PAMMやMAM等のプロトレーダーにお任せするシステムでは、月の利益に対して30％前後の手数料が別途ひかれることが多いです。しかしEA（FX自動売買）では、運用資金以外に別途手数料がかかることはありません（一部例外はありますが）。

EA（FX自動売買）のデメリット

完全放置はできない

EAはご自身で稼働コントロールが細かく可能になる分、相場の大きな変動等ではリスクも上がるため、放置していると、あっという間に含み損が膨らみ続け破綻することもあります。そのため、早めに停止したり、損切りしたり、追い金したり、あるいは利益は定期的に別口座に移動しておいたり、出金しておくといった対処も必要です。

どのようなEAでも、ある程度は自動運用で放置可能ですが、完全放置はできないと思った方が良いです。

ある程度はFXの知識は必要（基本的な知識でOK）

EA（FX自動売買）は、FXの裁量ができなかったり、FX初心者でも運用することは可能です。とは言え、全くの初心者が、運用後も何も学ぼうともせず放置で運用するのは、お金を扱う以上リスクが高いので、勉強したくないという方にとってはデメリットでしょう。

そのEAの特性にもよりますが、ロットを下げたり、設定次第では低リスクで運用はできるので、まずはEAを稼働させながらも、同時にFXの基本的なこと、現在の経済状況などは積極的に学びつつ運用していくことは大事です。

とりあえず最低限、

• ロング（Long、買い）、ショート（Short、売り）の意味や違い
• ナンピンや順張りの意味や動き

くらいは知った上で、チャートを見て簡単でよいので状況が判断できるようであればEAをコントロールしていくことは可能です。

VPSサーバ利用コストがかかる

EAは一般的にはVPSサーバ上で稼働させるのがおすすめです。VPSサーバの費用がかかるという意味ではデメリットと言えるかもしれません。

確かに自宅のパソコンでもEAの運用はできますが、24時間稼働させておく必要があるため、自動売買にとっては故障しやすいリスクもあり、どちらかと言うと自宅パソコンは不向きです。

必要経費と割り切って、VPSを契約してそちらに設置しましょう。

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ツール費用がかかる場合もある

ツール自体が無料のEA（FX自動売買）が多いですが、中には有料のEAもあります。有料のツールはそれだけ機能が豊富な場合もあるので、そのEAが欲しい場合には費用がかかる分デメリットと言えるでしょう。

ただし無料のEAだからと言って、決して機能が劣るものではなく、ツールそれ自体の特性や、価格には売り手の思惑もあるので、資金に限度がある方は無料に絞って利用することでも良いでしょう。

PAMM・MAM・コピトレのメリット

プロトレーダーによる運用

PAMMやMAM、あるいはコピトレはプロトレーダーに取引や運用を依存できるのが非常に大きなメリットです。

もちろん優秀なトレーダーであることは必須条件。そこはシステムの案内内容等でしっかりと確認しましょう。

完全放置も可能

プロトレーダーに運用をお任せするわけですから、基本的には運用開始後はユーザ側では何もする必要はありません。結果を確認するだけです。

つまり完全放置も可能というわけです。

完全初心者でもOK（知識不要）

上記に関連しますが、運用を完全にお任せできるので、FX初心者でも、投資初心者でも問題ありません。

最初に運用するための口座を作ったりといった作業は必要ですが、運用が開始されれば、あとは放置でお任せできます。

設置不要！スマホのみでOK

PAMMやMAM等のトレーダーにお任せするシステムでは、EAと違って自分でプログラムを設置する必要がありません。当然ながらVPSサーバも不要です。

口座開設等の作業は必要ですが、設置自体は不要なので、スマホだけで運用が可能です。

PAMM・MAM・コピトレのデメリット

自分でコントロールができない

ユーザ側で、稼働時間やポジションの操作等のコントロールすることができないというのが一つのデメリットでしょう（コピトレでは一部できるものもあります）。

特にMAMの場合は保有ポジションのトレード状況がMT4で見えるので、自分なりの方法でポジションを操作したい！と思うこともあるかもしれませんが、そう思っても自分で裁量することはできないということです。

しかしユーザ側では何もしなくて良いのがそもそもの仕組みなので、デメリットであると同時にメリットとも言えます（もちろんトレーダーが優秀であるという前提にはなります）。

手数料がかかる

ほとんどのPAMMやMAM等のシステムは、月の利益に対して、手数料がかかります。これはプロのトレーダーにお任せするので当然と言えますし仕方ないですね（一部手数料がかからないシステムもあります）。

いつでも出金できるわけではない

特にMAMやPAMMでは、すぐにお金が必要になって出金したいと思っても、基本的には出来ません。月1回決められた出金日等が設けられるのが普通で、そのタイミングには出金できます。いつでも自由に出金ができるようにすると、トレーダー側の証拠金維持率にも影響するので、これも仕組みを考えれば仕方がないですね。

FXの知識がつかない

PAMM、MAM、コピトレでは自分では何もしなくても運用可能。そのためFXの知識や実力はつかないということは言えますね。できれば運用しながらも経済やFXの基本的な知識は意識して情報収集することをおすすめします。

ちなみに「MAM」の場合はトレード履歴がMT4で確認できるので、プロトレーダーの運用方法をある程度は学ぶことは可能です。

投資リスクも踏まえて判断を

EA（FX自動売買）でも、PAMM/MAM/コピトレでも、それぞれにメリットがあればデメリットもあります。どちらが良いとか悪いというわけではありません。

それぞれの特徴を踏まえた上で、自分の投資スタイルにあったシステムを利用したいものですね。

例えば、自分で稼働のコントロールができないのは嫌！という場合はEAが向いてますし、逆に自分でコントロールが難しいから手数料はかかってもプロにお任せしたい！という場合はPAMM、あるいはMAM、コピトレが向いているということは言えます。

ただしどんなシステムやツールでも、投資ですから利益と同時にリスクもあるもの。例えば、

• どんな証券会社を使っているのか？（怪しい証券会社ではないか？）
• PAMM・MAM等の場合、信用できるプロトレーダーなのか？
• そのシステムやツールの機能や特徴は？

などを（自分なりにでも良いので）確認しましょう。その上で、自分が許容できるリスクを踏まえ、無理ない範囲で利用を判断するようにするとよいですね。