バイナリーオプション(Binary Option)と言えば、リスクが高く、経験豊富なトレーダー向きだとイメージとして考えられがちです。
ですが、実はその仕組みは非常にシンプル。エントリー時に価格が上がるか下がるかを予想し、それが正しければ利益が得られ、誤れば損失が発生するクリアな二択の性質のため、投資・為替の初心者にも取り組みやすいものです。
ただ実際のところは本当に初心者にも向いているのでしょうか?FXと何が違うの?と思われる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、バイナリーオプションの基本、FXとの主な違い、そしてどのようなタイプの投資家に各々が最適かについてお伝えしていきます。
バイナリーオプションとは?
バイナリーオプション(Binary Option; BO)では、最初に金融商品(ドル円、ユーロ円等)を指定しオプション料を支払います。そして現在価格から5分後、15分後などの短時間に、その金融商品の価格が一定時間後に「上がる」か「下がる」かを予測する取引です。
取引結果は、その予測が当たるか外れるかであり、予測が当たると、一定金額の払戻し(ペイアウト)を受け取ることができ、払戻額とオプション料の差額が利益となります。
逆に予測が外れた場合は、ペイアウトの発生はなく、最初に支払ったオプション料がそのまま損失となる、というものです。
エントリー金額(例) | 勝負 | 損益 *ペイアウト率1.85%の場合 |
---|---|---|
1,000円 | 勝ち | +850円 (1,000円✕1.85)-1,000円 |
負け | -1,000円 | |
5,000円 | 勝ち | +4,250円 (5,000円✕1.85)-5,000円 |
負け | -5,000円 | |
10,000円 | 勝ち | +8,500円 (10,000円✕1.85)-10,000円 |
負け | -10,000円 |
結果は「全利益」か「全損失」の二択ということになりますが、そのシンプルさから、バイナリーオプションは初心者にも取っ付きやすいと言われています。
予めリスクが明確であるため、資金管理がしやすくて、比較的短期的なトレードに適しています。
FXとバイナリーオプションの違い7つ
それではFXと比べてみたときに、バイナリーオプションはどう違うのか?についてお伝えしていきます。”表”にすると次の7つのポイントの違いがありますね。
比較項目 | FX | バイナリー オプション | |
---|---|---|---|
1 | 取引回数や時間の制限 | 平日24時間取引可能で制限なし | 取引時間に制限あり |
2 | 決済タイミング | いつでも決済OK | 最初に設定した時間で自動決済 |
3 | レバレッジの有無 | 有り | 無し |
4 | スワップポイントの有無 | 有り | 無し |
5 | 利益と損失の決まり方 | 決済タイミングによって損益が拡大する | 設定した時間に自動決済 |
6 | 対応通貨ペア数 | 多い | 少ない |
7 | 値動きによる影響 | 値動きが小さいと稼ぎにくい | 値動きが小さくても稼げる可能性がある |
1.取引回数や時間の制限
FXでは、24時間取引が可能であり、取引回数に制限はありません。市場の動きに応じて、頻繁にポジションを取ることができます。一方、バイナリーオプションは一定の時間枠内での取引が基本となるので、取引の頻度や時間に制限がある場合があります。
2.決済タイミング
FXでは、トレーダーが任意のタイミングでポジションを決済できます。利益が出た時点、あるいは損失が出た時点で決済することはいつでも可能です。ただしFX自動売買を使用している場合は、ツールの仕様に則って自動決済されます(それでも任意のタイミングで決済することは可能)。
バイナリーオプションでは、取引開始時に設定された時間が経過すると自動的に決済されます。
3.レバレッジの有無
FXではレバレッジを利用することで、少ない資金で大きな取引を行うことができます。また扱い方次第ですが、レバレッジの利用にはリスクも伴います。
一方バイナリーオプションでは、基本的にレバレッジを利用しないため、リスクは明確で固定されています。
4.スワップポイントの有無
FXでは、ポジションを翌日に持ち越す際にスワップポイントが発生します。これは、通貨間の金利差によるもので、利益または損失となります。
バイナリーオプションでは、取引が短期間(最短30秒から)で終了するため、スワップポイントは発生しません。
5.利益と損失の決まり方
FXでは、為替レートの変動に応じて利益や損失が変動します。大きな値動きがあれば大きな利益も期待できますが、その分損失も大きくなる可能性があります。
バイナリーオプションでは、取引開始時に設定された金額が、そのまま利益か?損失か?で決まるため、リスクが予測しやすいです。
6.対応通貨ペア数の違い
FXでは、多くの通貨ペアで取引が可能です。主要な通貨ペアからマイナーなものまで選択肢が広がります。
バイナリーオプションでは、提供される通貨ペアが限られている場合が多いです。
7.値動きによる影響の違い
FXでは、値動きの大小に応じて利益や損失が変動します。急激な値動きがあれば、その分利益も大きくなりますが、損失も同様に大きくなります。
バイナリーオプションでは、値動きの大小に関係なく、予測が当たれば固定の利益が得られます。
FXと比較した時のバイナリーオプションのメリット・デメリット
バイナリーオプションのメリット
上がるか下がるかだけでシンプル
バイナリーオプションは、価格が上がるか下がるかの二択を予測するだけ。シンプルなルールで初心者でも始めやすいのが特徴です。
低資金から運用できる
バイナリーは少額の資金で取引を開始できるため、リスクを抑えながらトレードを始めることができます。1000円から取引できるところが多いですが、証券会社によっては500円から可能なところもあります。
運用資金はエントリー金額以上に余裕を持って入れておく必要はありますが、FXと比べても少ない金額で取引できる機会を持てるのは魅力でしょう。
値動きが小さくても取引しやすい
FXではある程度値動きがないと利益を得にくいですが、バイナリーオプションでは小さな値動きであっても、予測が当たれば利益を得ることができるため、小さな市場変動でも活用できます。
バイナリーオプションのデメリット
長期投資に向かない
バイナリーオプションは短期間での取引が基本です。手法は人それぞれですが、5分、15分などの短期で結果を出すというパターンが多いです。
また、エントリー時の予想が当たった時に支払われるペイアウトは率が基本的には固定されているため、相場がどれだけ自分の予想した方向に大きく推移したとしても、ペイアウト以上の利益を受け取ることはできません。
そのため、長期的な資産形成には向いていないとも言えます。
勝っても負けても感情的になりやすい
バイナリーオプションの取引結果は、上がるか下がるかの二択しかありません。その分かりやすさからも、勝った時の喜びでも、負けた時の悔しさでも、感情が強く出やすいと言えます。
FXも感情的になりやすい一面は同じかもしれませんが、バイナリーオプションはより感情的なトレードに陥りやすいですので注意が必要です。
他のどんな投資でも同じことですが、感情的にトレードするのは危険ですね。
FXとバイナリーそれぞれに向いている人の特徴
FXに向いている人の特徴
バイナリーと比較した場合における、FXに向いている人の特徴は以下のように言えるでしょう。
- 市場分析が得意
- リスクを取ることができる
- 適切な資金管理ができる
- 長期的な視点
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を駆使して市場の動きを予測できる人。
チャンスとなる相場においては大きなリターンを求めてリスクを取れる人。
リスクリワードを考慮した適切な資金管理はFXにおいては非常に大事です。
長期間にわたって市場を観察し、戦略を立てることができる人。
バイナリーオプションに向いている人の特徴
一方、バイナリーオプションに向いている人は、以下のような特徴を持っていると言えるでしょう。
- リスク管理が得意
- 直感力と判断力がある
- 簡単な取引を好む
- 短期間での成果を求める
予め決まったリスクの範囲内で取引を行うことができる人。決めたルールを守り感情的にならない人。
短期間での価格変動を迅速にキャッチし、素早く決断できる人は向いています(もちろん知識や経験も大事ですが)。
複雑な分析を必要としないシンプルな取引を好む人には良いでしょう。
結果が早いのがバイナリーなので、早い結果を求める人には向いています。
FXとバイナリーオプションは併用しても良い
FXとバイナリーオプションには、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。本取引の前にデモ口座を作って練習することも可能なので、どちらも経験してみるのが良いでしょう。
その上で、FX、バイナリーオプション、それぞれの特徴に慣れてきたら、相場の状況に応じて使い分けるのもありですね。
FXは市場分析が得意でリスクを取れる人に向いており、長期的な資産形成も可能です。一方、バイナリーオプションはリスク管理が得意で、シンプルな取引を好む人に向いています。
自分のトレードスタイルや目標に応じて選択してみてください。
こちらのバイナリーオプション自動売買の記事も参考にしてみてください。