P2Pビジネス（エクスカシーファーム/マリンベイ/ビートルキャンプ）とは結局何だったのか？

今ではもう過去の投資案件ですが、俗に「P2Pビジネス」と言われるものがありました。個人間のマッチング取引を指すP2Pビジネスの本来の意味合いとは異なるものの、ネット上で個人間取引をすることからこのように言われていました。

その中で代表的なのはエクスカシーファーム/マリンベイ/ビートルキャンプ等。ただ、これら全て短期間で破綻してしまいました。

私も参加していたため、金銭的にも大損害を被ったんですが、もうだいぶ前に吹っ切れてはいます。ただ、かなり以前にP2Pビジネスの状況について書いた、こちらの記事には未だにアクセスが来るんですよね。

結論としては、これらサービスの復活や、返金される見込みは全く無いと言ってよく、どうしようもないんですが、今更ながら投資案件のP2Pビジネスとは結局なんだったのか？ポンジスキームなのか？詐欺なのか？について少し振り返ってみました。

P2Pビジネスはどうなったのか？

P2Pとは何？

俗に言う「P2Pビジネス」とは、P2Pの名前の通り個人間取引を指しますが、この場合2020年〜2021年頃に投資界隈で一時ブームになったビジネス（投資案件）のことを言います。P2P投資、P2Pサービス、P2P案件等と言われる場合もあります。

仮想のキャラクターやアイテムを、ネット上で買い売りするプラットフォームを利用した個人間で取引される投資というか転売とも言えるサービスで、有名なところではエクスカシーファーム、ビートルキャンプ、マリンベイ等がありました。

これらサービスへの参加自体は無料で始められますが、実際に参加するにはプラットフォームが用意しているネット上の仮想キャラクターやアイテムを（ある程度の高額で）購入します。その購入した仮想キャラクターは一定日数過ぎると、利益が上乗せされて必ず価値が上がる仕組みになっていました。

そして参加者同士の自動マッチングにて、当たった人に転売し利益を得るという仕組みです。1回の利益率は10％〜20％程度というところ。

プラットフォームを提供する運営側は、売買に伴うシステム手数料の利益を得、最終的にはオリジナル仮想通貨（暗号資産）の上場、オンラインカジノの運営等といったサービスへ繋げていくのが大きな目的となっていました。

P2Pビジネスは全て破綻

そんなP2Pビジネスは主なところでは次のものがありましたが、開始時期、破綻時期、どういう状況だったのか？について簡単に表にまとめています。

P2Pサービス名	開始時期	破綻時期	破綻後の状況
エクスカシーファーム （Exicuci Farm）	2020年7月頃	2020年12月	2週間後再開したが1日で破綻、その後ワールドマッチングで再開したがしばらくしてまた破綻、その後復活せず消滅
マリンベイ （Marine Bay）	2020年8月頃	2021年1月	1ヶ月後に再開したがすぐ破綻、その後復活せず消滅
ビートルキャンプ （Beetlecamp）	2021年2月	2021年3月	一度も復活せず消滅

この3つは私も参加していて、確かに仮想アイテムの利益上乗せ転売で利益は出ていました。

ただ、ある時突然！仕組みが回らなくなり、その時点で保有しているアイテムについては転売できなくなり購入金額は回収不能、つまりシステム自体が破綻しました。それで私も大損害を被ったわけです。

このビジネスのパイオニアであったエクスカシーファームが破綻した後は、もう歯止めが効かない状態でしたね。その時期を前後して、次の名前のP2Pサービスが次々生まれましたが、全て短期間で破綻しました。

もう先駆者のエクスカシーファームが破綻した後は、仕組みが長く続くと思っていた人はほとんどいなかったでしょうね。マネーゲームのごとく、いかに勝ち逃げするか？しか考えてない人ばかり集まっていたんでしょう。

そんな状況なので、いずれも最終的に仕組みが回らなくなり破綻しました。それどころか、開始早々数日で破綻したものもあった様です。

購入した仮想キャラクターを価値をつけて別の人に売るわけなので、買う人が少なくなれば、需給バランスが大きく崩れて破綻するのは目に見えています。ある時に大口顧客が一気に撤退して止めたことなども一因としてあったのでしょう。

P2Pビジネスは投資詐欺だったのか？

最終的には復活できたP2Pビジネスは皆無

破綻後、再度調整して復活したケースはあったものの、結局はどのP2Pビジネスも、最終的には短期間で需給バランスが崩れ破綻。そしてサービスが復活することもありませんでした。

その時点で、仮想キャラクターやアイテムを購入して保有していた人は、転売もできずに購入した資金分、大損することになったわけです。

サービスが破綻する前に、状況を察知して早めに撤退していた人は稼げたわけですが、そんなラッキーな人は少なかったと思います。

購入した仮想キャラクターは、次のマッチングまで数日から1週間前後は保有しておく必要があったため、「何か、おかしい・・・」と昨日今日に気付いたところで、もう既に遅かったという状況だったんですよね（ほとんどの人は破綻が突然過ぎてどうしようも無かったでしょう）。

P2Pビジネスは詐欺なのか？

そこで、この投資案件におけるP2Pビジネスは詐欺だったのか？について考えてみたいと思います。

最初から詐欺をするつもりは無かった？

「詐欺」の定義にもよりますが、少なくともP2Pのパイオニアであったエクスカシーファームやマリンベイについては、運営側は最初から騙すつもりは無かったと思います（他のP2Pビジネスは微妙なものも多いですが）。

独自暗号資産の上場や、オンラインカジノのサービス開始といった、ビジネス的なゴールとなる目的を持って取り組んでいたというのは一応確かでしょう。まぁこの目的自体が「嘘」と言っている方も多いんですけどね。

結果を見れば、ポンジスキーム、投資詐欺と変わらない

それなりに各P2Pの運営側も理想は持っていたようですが、ハッキリ言って見積もりがかなり甘かったと言えますし、サービスに参加していた大口投資家の一斉撤退、また何らかの妨害工作を防ぐ効果的な対策も打つことなく、短期間でサービスが破綻したことの責任は大きいです

その後もP2Pの運営によっては、サービス復活に向けて動いていたところもありました。でも結局はいずれのサービス提供者（運営）も、最後まで責任を果たすことなく、何のアナウンスもしないまま、消えてしまいました。サイト自体も閉鎖されましたから、意図的です。弁解の余地はないですね。

結果だけ見れば、ポンジスキーム、投資詐欺と変わらないでしょう。

世の中、美味い話はそうそう無い

投資案件における過去のP2Pビジネスの破綻状況について、改めて振り返ってみましたが、特にエクスカシーファームに至っては全体の損害は100億円前後（それ以上？）はあったようですし、なのにサービス提供者の運営側は何のお咎めもなしだというのは、損失を被った方たちのことを思うと、非常に残念ですね。

特に投資界隈にはこのP2Pのように、一見楽に稼げて美味しいと思えるサービスが良く出回ってますが、本当に大丈夫かな？と疑問に思うことも大事です。

何でもかんでも詐欺とは言えないですが、安易に取り組むのではなく、失敗しないようにしっかりと情報収集は欠かさないようにしましょう。もし、この案件大丈夫？とかありましたら、気軽に聞いてください。

ちなみに私は、エクスカシーファームが破綻して2年経った頃には返金の見込みは無いときっぱりと諦めましたし、損失も大きかったですが、全て確定申告の際に損金として決算処理しました。

個人的には「塞翁が馬」のことわざのごとく、投資やFXの可能性に目を向けることが出来、その後の収益の増収にも繋がったので良かったと割り切っています。早々と見切りをつけて、前向きに次のステージに目を向けるのも大事なことですね。