2021年(令和3年)は次々とP2P投資のサービスが誕生し、ある意味ブームにすらなりました。
ここで言うP2P投資のビジネスというのは、仮想のキャラクターを売買することで利益を得る個人間取引(P2P)のこと。2020年(令和2年)にエクスカシーファーム、マリンベイのP2Pプラットフォームサービスが開始され、ユーザを多く獲得していますが、翌2021年に入ってからも同様のP2Pサービスが次々に生まれています。
そんなP2P投資ビジネスの現状やこれからについて、個人的に思っていることを書いていきます。
P2P投資ビジネスとは何を指す?
P2Pビジネスの定義
エクスカシーファームから始まった
P2Pの代表格と言えば、エクスカシーファーム(Exicuci Farm)であり、元祖とも言えるものです。2020年の7月頃にサービスが開始され、11月頃には、登録上は延べ5000人以上も参加するサービスとなりました。
このエクスカシーファームや、同じような仕組みのサービス全般を指して、便宜上「P2P」と呼ばれています(何か他に良い呼び方はないのか…)。
P2P投資の仕組みは?
簡単にP2P投資の仕組みについて紹介します。知ってる!という方は読み飛ばしてください。
P2P投資は、ネット上で架空のキャラクターの売買を行うことで、収益を上げていくビジネス。各P2Pのシステム上で買いたい人、売りたい人を毎日自動的にマッチングしてくれます。
マッチングは毎日抽選形式で行われ、当選すればキャラを購入することができます。その抽選に参加するためには、キャラクタごとに決められたチケット(呼び方はいろいろ)が必要なので、予め一定のチケットを購入しておく必要があります。
そして購入したキャラクターは一定期間保有され、保有期間が過ぎたら決められた利益が上乗せされてマッチングされて売れるという仕組みです。
利益率はP2Pにもよりますが、10%〜20%程度。売買するときのお金のやり取りは、日本円による銀行振込だったり、仮想通貨で行う場合があります。
P2Pを取り扱う運営はマッチングするシステムを提供していますが、売買で取引されるお金を直接預かってはいません。個人対個人で直接取引を行うために、P2P(個人間取引)と便宜的に言われているわけです。仕組み上はメルカリ転売にも似ていると言えます。
P2Pは細かく言うと、
- P2Pビジネス
- P2P投資
- P2Pサービス
- P2Pマッチングプラットフォーム
- P2P案件
と微妙なニュアンスの違いで様々に呼びわけられることもありますが、P2Pの正式な呼び方は決めっていません。あくまで「P2P」という言葉が、個人間取引であるこのビジネス形態に便宜的に近いので、こう呼ばれるようになったのではないでしょうか。
2021年は次から次へとP2Pのサービスが誕生
2020年はエクスカシーファーム、マリンベイがはじまりましたが、2021年に入っても次々と新しいP2Pサービスが生まれています(あるいはサービス提供予定)。
- トレジャーボックス(Treasure Box)
- ポケットアクア(Pocket Aqua)
- ゴッドソード(God Sword)
- バトルチョイス(Battle Choice)
- ジュラシックファーム(Jurassic Farm)
- ゴッドオブドラゴン(God Of Dragon)
- ビートルキャンプ(beetlecamp)
- サイバー東京(Cyber Tokyo)
- ウンコ帝国(Unko Teikoku)
- ゴールドラッシュ(Gold Rush)
- アニマルキャッシュ(Animal Cash)
- わんわんトレード
- にゃんこパーク
- エロとトレードは地球を救う
- ネイビーコマンダー(Navy Commander)
日本円での取引もあれば、仮想通貨での取引もあります。
いやー、しかしマジで多いですね。どんどん出てきます。キャラクターも宝石だったり、剣だったり、恐竜だったり、昆虫だったり、犬だったり…。なんでもありって感じです。
後述しますが、これだけ沢山P2Pが出てきていても、既に短期間で破綻したり、終了してしまったサービスがほとんどという悲惨な状況になっています。
P2Pの停止から考えること
次々のP2Pプラットフォームサービスが停止
エクスカシーファームやマリンベイにとどまらず、どんどん増えてきているP2Pサービスですが、実は次々と停止したり破綻していくサービスも出てきています。
そもそものP2Pの発端であったエクスカシーファームは、キャラクターの飽和や需給バランスの崩れから、2020年12月に破綻し、長期にわたってメンテナンスで停止後、4月に何とかワールドマッチングで再開しましたが、未だ以前の保有アイテムは売れず、正常化していません。
そしてマリンベイも同じく2021年にはいってから需給バランスが崩れて停止中。1度再開しましたが、1ヶ月超でまた停止してしまいました。再開に向けて準備中ですが、どうなるのかは分かりません。
それだけではありません。
比較的運営や仕組みが評価されていて大丈夫だと言われていた、ビートルキャンプも3月下旬に仕組みが崩壊し、サービスは継続しているものの販売ができない状態が続いています。運営はFXサービスをはじめるようですが、こちらも未知数です。
これら以外にも、次々のP2P投資があらわれては短期間で破綻しています。最近では1ヶ月ももたないP2Pも出てきました。
エクスカシーファームもマリンベイもビートルキャンプも、永遠に続くわけはなく、いつかは終了、あるいは破綻するのは多くの人は理解していたと思います。でもその破綻が思ったよりも早かった。いずれにも共通するのは、需給バランスが突然大きく崩れたことです。
「利益が上乗せされて一定期間経過後に”必ず”売れる」
というのがP2Pサービスの絶対的な特徴です。その前提が大きく崩れることになったので、そうなれば仮想のキャラクターを保有していても意味ないですからね。
P2Pは需給バランスがすべてと言ってもいいので、何らかの原因で売りたい人よりも買いたい人が極端に減ると破綻します。
何故P2Pの需給バランスが崩れたのか?
では、何故需給バランスが崩れたのか?については、
- 大口の参加者が短期間に一斉に抜けた
- 未払い・不正する参加者が沢山出た
といったことが多くのP2Pで言われています。
未払いがあれば翌日(あるいは近日中)に優先的にマッチングされたりしますが、それも数に限度があります。
それに加えて大口が抜けた!未払いが続出した!といったネガティブな情報が少しでも出回ると、「これはヤバいかも?」と思い始めた人が一斉に参加を見合わせて利確をしていく。
そうした状況が連鎖的に起きて、短期間で参加人数が減ったということが想定されます。
となると、需給バランスの崩れから運営はサービスの維持ができなくなってしまうので、何らかのキャラクターの調整をせざるを得ません。その作業が間に合わなければ、メンテナンスで一時停止という措置をすることになるわけです。
これが多くのP2Pでおこったこと。特に「大口の参加者が短期間に一斉に抜けた」というのは、どこのP2Pでも破綻するときに良く言われていますね。
一度停止したあと、復活したP2Pは今のところない
ただ私もエクスカシーファーム、マリンベイ、ビートルキャンプには、沢山の資金を投入して凍結状態なので情報は逐一追っています。
そこで、これまでずっーと情報を確認したり、運営に直接尋ねたりもしつつ感じますが、エクスカシーファーム、マリンベイ、ビートルキャンプについては、運営は飛ぶ(逃げる)つもりはなく、復活に向けて注力していることは間違いありません。
(その他の破綻したP2Pの状況は厳しいでしょう)
とは言え、一度崩れた需給バランスを回復するのはかなり困難です。運営がどれだけ手を売っても、ユーザは心理的に警戒するわけで簡単には戻りません。ほとんどのユーザはお金の回収しか考えなくなります。
現状のところ、一度サービスが停止したあと、正常に復活したP2Pは無いというのが現状なんですね。
P2Pは今後どうなる?参加するならチェックすべきポイントは?
2021年(令和3年)は既に沢山のP2Pのサービスが出てきて破綻しました。まだこれからもどんどん出てくることは予想されます。もう私も新しいP2P投資に参加する気はほぼ無いですが、初動で動けば稼ぎやすいことは確かなので、リスクを承知で参加したいという方もいるでしょう。
なので、P2Pに取り組むのであれば、何を気をつけるべきなのか?について、私の経験上からも思うところを書いてみます。
ロードマップや出口戦略は?
「そのP2P、何のためにやっているのか?」ロードマップや最終的な出口戦略をチェックしましょう。
あくまでP2Pは出口戦略があった上で、集客やお金の流れをつくっていく為に行っているはずです。
エクスカシーファームは、エクスカシーコインという独自の仮想通貨をつくり、新しく取引所も作って世界中にコインの価値を広める戦略があります。この事業自体は順次進められてますからね。
またマリンベイは、オンラインゲームやカジノのサービスと連携したサービス展開を予定しています(南米の大手プラットフォームサービスと提携済み)。
他のP2Pではどうでしょうか?
確かに出口戦略があっても、エクスカシーファームやマリンベイのように、思惑通りに順調に進むとは限りません。ですが、そもそもロードマップや出口戦略が無いP2Pサービスも実際あります(あるいは無いのに偽っている等)。
それだと完全にアウトですね。そのP2Pは単なるチキンレースでしかなく、必ず早い段階で需給バランスの崩れで破綻がきます。その瞬間に終わります。
素人目線では、ロードマップがあったとしても、信頼度や良し悪しは判断出来ないかもしれません。ただ、何もチェックせずに、簡単に稼げるからという理由だけで、(チキンレースな)P2Pに参加するようにはしないでください。
早期参入・早期撤退?
P2Pはいずれ破綻することを想定して、早期参入・早期撤退!と言っている人は多いです。それも一つの戦略と言えます。
でも、そこで考えてほしいんですが、本当に破綻する前に早めに撤退できますか?
人間はつい欲が出て、もっと稼ぎたい!となるもの。そのうち、そのうち…と思いながら、終わる事ができなくてどんどん資金を追加投入してのめり込んでいくかもしれません。
実際、エクスカシーファームもマリンベイもビートルキャンプも突然メンテナンスになりました。中々撤退時期を予測するのは簡単ではありません。また破綻するまでの期間もどんどん短くなってきているので、なおさらリスクは高いです。
大口ユーザの対策
早期参入・早期撤退と言う風潮が広まってくることや、P2P全体の数が増えていることもあって、どのP2Pでも早期撤退する人(あるいはグループ)が増えることは予想されますね。
そうなると、大口のユーザや、あるいはそのグループで、一斉に早い段階で同じ時期に撤退するパターンも出てくるでしょう。
そうした状況があったとしても、新規参入がスムーズに増えていればいいですが、そうで無ければ、今まで以上に早く破綻するP2Pは必ず出てきます。
特に大口のユーザが大量にエントリーして稼いでいたのが、短期間で撤退すると危険です。破綻したP2Pはどれも大口法人の撤退が関係している可能性が高いと言われています。
なので、P2Pを展開する運営は、大口法人対策をどう考えているか?が大事なチェックポイントと言えます。
例えばですが、次のような対策を運営側がどう考えているか?ですね。
- アカウントは一つだけにする
- エントリーの数を制限する
- 全体の参加人数を制限する
- 心理的に影響を与えない対策(ネガティブ情報の制限)
- 大人数のグループの動きに目を光らす
ただし、実際のところこれらの対策を行っていると思われるP2Pでも停止しました。ビートルキャンプもそうです。なので、実質的に大口ユーザ対策はほぼ無理じゃないか?とさえ思いますね。
短期間で当選率が上がらないかチェック
P2Pで、これもうすぐヤバいかも?という判断はなかなか難しいものですが、一つの指標として抽選で当たるときの「当選率」があります。
当選率の適正はだいたい10%〜15%前後。これくらいだと中々当たりませんので、キャラは飽和しませんし、参加者の参加意欲も持続します。最初はどのP2Pもこの当選率レベルなはずですが、それが50%を超えてくるようになれば注意が必要です。
必ず自分自身で、当選率、当選数の確認はしっかりと毎日つけておきましょう。グループで確認できるのであれば、複数人でチェックできるといいです。
どのP2Pも、破綻直前に当選率が急激に上がっていたことが多いです。
ただ、ここで注意する点は、例えば7日保有のキャラを持っているとしたら、利確に向けて8日(7日+1日)より前に判断して、それに向けて利確していかないといけないということ。実際のところ1日〜3日程度で状況が急激に変わることが多いので、判断はかなり難しいですね。
新キャラクタが出るタイミングは注意
上位の新キャラクタが市場に放出されるタイミングも要注意です。金額の高い上位のキャラクタは、最初は投入しないで、キャラクタが飽和しそうになったタイミングで投入していくP2Pも多いです。
エクスカシーファームもマリンベイも、上位キャラクターを投入する(した)タイミングが赤信号だったわけです。
- エクスカシーファームでは、最上位のフェニックスが出たあと、日にちをまたずして
- マリンベイでは、最上位のレッドが出ると発表されたあと、出る直前に
需給バランスが崩れてメンテナンスに入ってしまいました。必ずしも上位キャラクターがサービス停止のトリガーになるとは言えませんが、一つの指標としてチェックしておいてもいいでしょう。
参加人数が多すぎないか?
P2Pでは、参加する人数が少ないと回らなくはなりますが、逆に人数が多くなりすぎると実は危険性が高まります。
人数が増えていくと、それだけ売買するキャラクターの数が増えて飽和しやすくなります。また、先に書きましたが、キャラが増えたタイミングで突然大口のユーザが大量に抜けると、簡単に需給バランスが崩れやすくもなるからです。
利用者側で参加人数を見極めるのは困難ですが、そのP2Pの公式LINEの登録者の推移を見るとか、専用のオープンチャットの人数が増えているとか、ある程度は意識してみることは可能です。
オープンチャットの情報に踊らされない
P2Pは通常紹介制ですし、それ専用のLINEのオープンチャットが存在していることが多いです。独自にそのP2P専用のグループが存在しているケースも多いでしょう。
そうしたオープンチャットやグループで飛び交う情報については、役立つ情報も多いものの、基本的には参考程度として、あまり感情を踊らされないように気をつけましょう。
特にネガティブな意見を言う人に影響されないようにすることはすごく大事。
ただ逆にポジティブすぎる意見も、話半分で参考にするくらいでちょうどいいです。リーダー的な立場の人の意見も全面的に信用するのではなく、話半分ですね。
人数が多いオープンチャットで、リーダー的な立場にある人が何か見解を述べると、影響は大きいので、言えなかったり、逆に違うことを言ったりすることもあるんです。私もエクスカシーファームでそれが身にしみました。
P2Pは需給バランスがすべて。サービスが順調でないときは心理戦(騙し合いもあり得る)が働く。 ということも覚えておくと良いです。
ちょっと曖昧な言い回しになっちゃいますが、この章で書いていることも参考にしつつ、情報に踊らされずに冷静に状況を分析する目も必要です。
今後P2Pに参加するなら気をつけるべき心構え
もうここまでP2Pが破綻してくると、新しいP2Pには参加しないことをおすすめしますが、もし参加するなら次の点を意識しておきましょう。
余剰資金で運用すること
これはすごく大事です。生活資金をぶっこむのは非常に危険です。最悪投入したお金がなくなっても、ショックだが仕方が無い(T_T)と諦められる金額でしましょう。
ただこれが難しいかもしれませんね。他のP2Pで痛い目にあった方は実感できていると思いますが…。
複利でやらない。利確はする
これも大事。すごく大事です。複利でやらないようにしましょう。P2Pで無限に複利で取り組むのは非常に危険です。
利益率が高いP2Pも多いので、つい複利でやりたくなるかもしれません。
ですが、稼いでいるように見えて、手元にお金が残っているタイミングは実は少ないので、そのP2Pが破綻したら終わりです。早めにある程度の資金を抜いて、無理ない資金で行うのが良いです。
壮大なババ抜きになる可能性が高いことを認識
よくこうしたP2Pはババ抜きだとも言われます。仕組みが破綻した場合に、最後にキャラクタを持っていた人は売れなくなるので、ババを引いたというわけです。
ただ通常ババ抜きというのは最後の1人がババを引くということですが、ここでは違います。いざそのP2Pが破綻すれば、ババになる人の数はかなり多くなるということ。一人ではなく、大人数になる可能性も高い。そのP2Pが破綻する前に撤退できていなければ、みんなババを引くことになります。
まぁそのP2Pが掲げている出口戦略が予定通り成功すれば、「参加者全員が稼いでサービスが終了する未来」も可能性としてはありますが、現状それが成功しているP2Pは皆無です。楽観的に考えない方がいいですね。
どれだけシステムが優秀だろうが、運営が優れていようが、大口ユーザの大量撤退や、ユーザのちょっとした心理から簡単に崩れるのがP2Pです。最初から、ババを引く可能性は高いこと、最悪無くなっても生活にダメージがない金額で運用していくしかありません。
もうP2P投資は難しい。早めにリスク分散をしよう
ここまでP2Pの現状や注意点について書いてきました。
私もエクスカシーファームやマリンベイに、売れないキャラが沢山残っています。痛い目にあったから、学んだこともありますが、現状のP2Pの悲惨な現状を見ていると、今から新規にどこかのP2Pに参入するのはリスクが高すぎると言わざるを得ません。
一度破綻したP2Pで復活したものが出てくれば希望的ですが、エクスカシーファーム、マリンベイ、ビートルキャンプ以外はもうほぼ無理でしょう。
その3つのP2Pも、正常化への希望はまだあるものの、なかなかに厳しい状況ではあります。
- エクスカシーファーム…ワールドマッチングで再開したが正常化にはまだ遠い
- マリンベイ…長く停止中だが再開に向けて準備中
- ビートルキャンプ…販売が機能していない状態でサービス継続中
今のところ、復活(正常化)できる可能性は次の順番だと言えます。
エクスカシーファーム >> マリンベイ >>>> ビートルキャンプ
一応エクスカシーファームが一番正常復活の可能性が高いと言えますが、道のりはまだまだ厳しいでしょう。
いずれにしても、P2Pは簡単に稼げる一方、リスクも非常に高い。早期撤退すれば大丈夫!と言っていても、その判断は簡単にはできないものです。欲がからむと、人間正常な判断ができないこともあります。あともう少しは大丈夫だ!とつい思ってしまうんですね。
P2P投資の稼ぎ方に依存するのはとにかくリスクが高い。他にリスク分散はしっかりしておくべきですね。
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